HIROxDAI小説

□海音-KANON
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・・・?
ガラスの向こう側にいる彼を見つめる。
 何か変・・・
いつも歌う時は集中しているのに、今日はため息をついてばかりいる。
 たぶん本人も気付いていないと思う位、曲の合間に少しずつだけど。
 曲にのれない?
いや、二人でこの曲を決めたんだから、そんな事ないと思うんだけど・・・でも・・・。
とたんに僕もヒロと同様、ため息をついてしまっていた。
「少し休憩入れようか?」
ガラス向こうのブースに指示が伝わるボタンを押し、話す。
 スピーカーを通した僕の声にヒロは目が覚めた様な顔をした。
 ・・・静かに通る声で二つ返事が戻ってきた・・



 自動販売機前・・・
ミキサールームにもあったけど気に入ったコーヒーが飲みたくなってここへ来たんだ。
 壁に背もたれしながら飲む。
 疲れていた喉に一気に注ぎ込まれる甘味。
 フーっと息をつくと、大ちゃんがこっちに向かって駆けてくるのが横目で見えた。
「ヒロ、どうしたの?」
目の前にある心配そうな顔。
「えっ?」
コーヒーを口から離す。
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