DORAGONBOLL

□貰い物の置き場
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遠い秘密の話をあなたに [1] +++


広めの背もたれにゆったりと身を預けて、わずかにふくらみのあるお腹に両手で触れる。
その下に、ゆっくり伸ばされた手が同じように触れるのを見て、マーロンがにこりと微笑んだ。

「やっぱりちょっと大きくなったよね。ね、男の子か女の子かまだ分からないの?」
「うん。でも、もう少ししたら分かるかもしれないって」
「ホント?分かったらすぐ教えてね、私女の子がいいなー」

マーロンの座るイスの肘置きに両腕を乗せ、膝をついた態勢でマーロンを見上げるブラが楽しそうに笑う。
すると今度は、反対側に少しかがんで立っていた悟天がマーロンにこう話しかけた。

「そういえばさ、マーロンちゃんてどっち?」
「え?」

問いかけの声にぱっと振り向くと、

「ほら、男の子と女の子。どっちがいいなとかないの?」
「え…」
「お兄ちゃんとそういう話した事ないの?」

続けざまに加えられたブラからの質問に、少し考え込んだマーロンがどこか不思議そうに呟いた。

「…うん、した事ない」

予想外の反応と答えに、一瞬きょとんとしたブラがまたすぐに問い返す。

「え、一回も?」
「どっちかなって話した事はあるけど、その時もトランクス何も言わなかったし…」

そう口にしながら、微かに沈んだ表情を映し始めたマーロンに向かって、悟天が手をひらひらさせながら軽い口調で話し始めた。

「あ、大丈夫大丈夫。トランクスくんの希望なんて聞かなくても分かるから教えてあげる」
「えっ」
「あ、それ私も分かる。お兄ちゃん絶対…」

そんな風に同意の声を続けたブラが、途中一度間を置くと、


「「 女の子 」」


「だよね」
「うん。それもマーロンお姉ちゃんにそーっくりの」

悟天と二人ぴったり声をそろえた後、またそれぞれ口を開き「やっぱりそうだよねー」とばかりにうんうんとうなずく。

「でも、男の子だったら大きくなって一緒に遊んだりとか」

マーロンがもう一方の可能性を口にするものの、

「トランクスくんの場合そっち夢見てる可能性低いと思うなー」
「っていうか女の子の方がいい理由がおっきすぎるのよね」
「あ、だね」

あっさり否定され、その理由についての話へ続いてゆく。

「考えてもみてよマーロンちゃん、男の子が生まれたとするよ?どんな子になると思う?」
「どんな……」
「まずマザコンよね」
「そうそう」
「え、え〜…?」

話の流れにマーロンが若干困ったような反応をしても、盛り上がった状態の二人は気に留める様子もないまま喋り続ける。

「だぁってあのお兄ちゃんの血引いた男の子よ?マーロンお姉ちゃん大好きに決まってるじゃない」
「きっと年中べったりで『大きくなったらママと結婚する』とか言うんだよー」
「よね〜。そんな事になったらお兄ちゃん絶対ヤキモチやいて耐えられなくなりそうだもん」

もはや言いたい放題の二人が、“トランクスの希望は絶対に女の子”と言い張る理由を最後こう締めくくった。

「その点女の子、しかもマーロンちゃんに似てればトランクスくんパラダイスなんじゃない?」
「『パパ大好き』とか言われて締まりのない顔して、こーんな小さい頃から“絶対お嫁になんかやらない”なんて思いながら毎日幸せそ〜に生きてると思うわ」
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