エッセイ

□夜の車は湘南へ
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私は
私が自分の腕を切った時の
みんなの顔を思い出していた。

お父さんも泣いた。
お母さんも泣いた。
妹ふたりも泣いた。

それでも
私がそれ以上落ち込まない様に
妹ふたりは必死で家庭を明るくし
父は病院の人に頼み込んでまで
私の手術(切り開かれた傷口を縫う)を急いでくれ
母は、血なんて見たら
青ざめる位嫌いなのに
その目をしっかり開いて
私の傷口を押さえていてくれた。
消毒をした後に。

なんで切ったんだ。
なんであんなこと。

今でも受け入れられない私の過去。

ひとつの作品としてその話を
完結させたのに
私の中では、ちっとも終わっていなかった。
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