エッセイ
□19歳の夏
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「愛」というものには不思議な性質がある。
それは注意深く視線を向ければ向けるほど
どんどんあなたのもとへやって来るようになること。
でも「愛」にはもうひとつ、独特なくせがあって、それは欲しがりすぎると次第にやって来なくなってしまうこと。
つまりここが秘訣。
愛をまわりに集めたければ、欲しがるのは遠回り。
何よりもまず、
もうすでにそこにあるものに繊細な注意を向けること。
実は世界には「愛」がどっさり用意されていることをあなたは間もなく知る。
【おさないまこと】
19の時に大好きだった人には彼女がいた。
承知の上で、相談にのってもらったり、勉強教えてもらったり、ご飯食べたり、ドライブに連れて行ってもらったりしていた。
私はその人のことが
好きで好きで仕方なくて、
早く彼女になりたかった。
その人の1番に、なりたかった。