海賊

□隙間風
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どこからか入ってくる隙間風が少し寒くて、オレを切なくさせた。



「…んっ……んん…はあっ」
背中に傷痕を付け、オレのものだという証をつける。お互いの熱を高めあい、頂点へ誘う。しかし、どこからか入ってくる隙間風が二人の身体を滑り行く。

「んっ!サッ、ンジ…も……」

「ル、フィ」

頂点に最も近くになった瞬間、隙間風がピタリととまった。二人の熱だけがこの場に存在し、他のなにものにも変えられない快感が身体中を駆け巡る。

「ああぁあぁああ!!」

「――っ!!」

頭の中が真っ白になった。不安や恐れなどない。自分の存在ましてやサンジの存在さえも忘れる位に思考が停止していた。



………また……吹いてくる隙間風。



「……サンジ…ずっと……傍に居て……」

未来がどうなるか判らないから、現在約束するんだ。哀しくても望まなくても…この世は不平等だから何時、サンジを連れていくか判らないから……約束、してくれ…。何時も一緒だと。何時も、死んでも、傍に居ると。

「……当たり前だ」

こんな日だから言えたのかもしれない。永遠なんて無いと判っていても、今日は永遠を信じる日だから。

「サンジ!メリークリスマス!!」

「…あぁ、メリークリスマス。」


時計はもう、終わりを告げている。











END
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