海賊

□埃の積もる家。
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俺は一人ぼっち。この暗い部屋で寝起きしたり遊んだりしてるんだ。でも、一人ぼっちだから…寂しい。
周りは埃ばっかりで何センチも積もってて汚いんだ。それでかなぁ、俺が動いても飛ばないんだぞ!凄いだろ。
そうそう。ここな、暗すぎるから時々壁や物にぶつかっちまうんだ。でもかくれんぼ中だから見付からないようにしなくちゃいけねぇんだよ。サンジ早く見付けてくれねぇかな〜。
サンジってのはな、ものすっごくかっこよくて、喧嘩も強くて、頭も良くて、言う事無しの俺の自慢の恋人!
この傷はな、サンジが付けてくれたんだ。良いだろ〜。すっごく痛いし泣き叫んだりしちゃったけどサンジが喜んでくれたから俺、幸せだ!
でも…なんか、俺、哀しくなってきた…。サンジに逢いてぇよ…抱きしめてほしいよ…キスしながら好きって言ってほしいよ…。うぅ……。…ズッ……。



――ガチャッ
――ギィィィ…



???丸い白いものが俺の視界一杯になって凄く嫌だ…。ずっと黒以外の色を見た事がなかった。
何人かの人が俺に近付いてきやがる。あれ?埃が浮き上がってるぞ!何でだ?僕が動いてもピクリとも動かなかったのになぁ。
おい!ちょっと待て!俺を何処に連れていくつもりだよ!!俺は此処でサンジを待ってるんだ!離せよ!離せ!!サンジ助けて!サンジ!!
…俺は、暴れていた。暴れている筈だった。なのにすんなりと運んで行かれる。暗い埃まみれの部屋から出て階段をのぼる。や…かた…?何で俺、こんなとこ居るんだ?かくれんぼ…してたんだよな?でも…館でか?
外にでた。お日様が眩しい。でも不思議と景色を見ることが出来る。辺りは木が沢山。館を隠すような感じだった。
そして、俺を抱えてる奴を睨んでやろうと思って上を向いたら………そこには…………………。






























『つい先ほど、古びた館から白骨化した少年をサンジ軍曹が運びだした様子です。部屋の中は埃が何と、10センチも積もっており、少年の骨にも積もっていたとの事。………今入って来た情報によりますと発見された部屋は地下に隠されていた拷問部屋だと言う事です。一体、何があったのでしょうか。』












俺、……見付かったから…また隠れる事にするよ………。今度は絶対見付からない場所に…。
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