11/18の日記
18:36
11月11日
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机の上に無造作に置かれたポッキーの箱。
何故そんなものが用意されていたのか、理由はわかってる。
今朝からクラスではポッキーの交換が空前のブームだったから。
「侑士ってこういうのだけは見逃さないよな。ちょっと尊敬するぜ」
「何の話?」
鞄を部屋の定位置に置いた侑士が振り返ったのと同時くらいに俺はポッキーの箱をビリビリ開けた。
侑士は小さく「あ」と呟いたけど別に文句は言われなかったからそのまま中身を取り出す。
「食っていい?」
「もう開けとるやん」
苦笑って感じで侑士が笑って俺の隣に座る。
中に入ってた2袋のうち1袋を手渡した。
「まだな、苺味とかクランキーのとかもあんねん」
「そんなに食うのかよ」
「岳人好きかなぁと思って」
どれも嫌いじゃないけどさ。
今日だけはあんまりどれが食いたいとか言う気にはなれない。
食い意地が張ってる、というよりやる気を出してると思われたら嫌だ。
て言うか昼休みにいっぱい食ったしさ。
「岳人」
不意に呼ばれて侑士の方を見ると、ニコニコ嬉しそうな笑顔と一緒に向けられた1本のポッキー。
うん、まぁそうなることは予想してた。
そんで素直にくわえてやったのはきっと侑士にとっては予想外だろ。
「ええ子」
あ、そうでもなかった?
まぁいいけど。
朝からクラスの女子にたくさんポッキーを貰って、最初のうちは嬉しかったし楽しかった。
けど貰いすぎてちょっと飽きたっていうのもあるし今日はもういいやってなってたのにわざわざポッキーの箱を開けてやった時点で…いや、これ以上考えるのはやめとこ。
女みたいに恋愛のイベントにいつも手を抜かない侑士が用意した『ポッキーの日を有効活用しよう計画』、仕方なく乗ってやるよ。
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ポッキーの日に更新したかったお話。
ポッキーゲームは口実で、お互いにただキスがしたいだけ。
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