観夢室

□あなたの居ない景色
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いつもと変わらない街並み。

街灯の形が卵に似ていると言って笑った。
ピンク色の家を見て、仲の良い家族が住んでいそうだねと微笑んだ。
息を切らしながら登った坂道に「煙草の吸いすぎだ」と苦笑いした。
来るぞ来るぞと期待しながら、必ず吠える犬の前を通り過ぎ
鳴き声を聞く度に二人でニヤリと笑った。
そこから家までの直線の道…
必ず手を繋いで空を見上げながら星座を探した。
星の知識のない私に色んな名前を教えてくれた。
時々、訳の分からない言葉で誤魔化すと、それを信じて真剣に空を見上げている私をクスクスと笑った。
家までどちらが早く着くか本気で競争した。
負けた方は勝った方にマッサージをするというルール付き。
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