東雲日記
□草々のそよめき
2ページ/6ページ
【道】
道は縦横にして曲がりくねり、到るところ四辻もあれば、誤りて袋小路に陥ることも少なからずありて中々に行き難し。足許覚束なき泥土など見ゆる境も然りながら、見えざる方の眺め心暗ければ更に安からず、日は暮れて道は遠く霞むがに思はるるなり。
いにしへ人も時に一人勇み、かつは困じ果て諦めつつ己を鼓舞し、更に人に励まされては歩み続け、遂に時到りて静かに旅を終えにけるらん。
先人たちの辿りし旧き道を時超えて、昔を偲び思ひ馳せつつ尋ね歩む夢の旅路は、知らず懐かしき心地呼び醒まし、今人を慰め癒し、かつは行く先に明り灯し教え導く一助にこそ成らめ。
07/02/11