東雲日記

□わくらば断章
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 にび色の海遠く鱗のごとき水面の、しろがね色に煌めけるが、安らかなる寝息の如く満ちては干きし、妙なる子守唄いづこよりか知らず聞こえ来る心地ぞする。深藍色に塗り込められし夜空には星さへ名残惜しげに瞬き、新たしき朝の訪るるには未だやや暇ありて、天地自然さえ暫し眠れる東雲の頃なり。一人寝ねがての夜を過ごし、来し方行く末思へば、心は千々に乱るる様なれど、すずろに書き綴り居れば、いつしか睡りの魔物来たりて我を連れ去り行かむとぞ


寝ねがての
夜を居明かせば
神々も
気を抜き眠る
東雲の頃



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