詩小説

□Who knows?
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張り巡らされた
蜘蛛の糸
近くを飛び回る
君を見ながら
切なさを募らせる

鼻から息を
吹きかけた以上
手出しは出来ぬ
それぞれに
心が芽生えた

哀しみが空に募り
淀んだ雨雲となる

わたしを怨みなさい
それをバネにして
生きなさい

激しい雨が
翅の鱗粉を散らす
君が桑の木の葉陰に
慌てて身を寄せる

赤黒まだらの蜘蛛が
舌打ちをして
糸を吐き
また住処を拡げる
作業を始めた


誰も知らない
わたしを見たことが
ないから
誰も信じない
わたしに触れたことが
ないから

わたしと同じように
なんでも出来る自由を
みんなに与えた
自分で考えなさい
自分で結果を引き受け
なさい

わたしは操り人形を
作りたくなかった

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