詩小説

□キッチン・セーター
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キッチンは
セーターを燃やす
場所じゃない



『なんて白だ
書くぞ』

彼女は無垢な
ノートの白さえ
許せない

汝、姦淫スルナカレ

キッチン・シンクには
インディゴ・ブルーの
セーターが
灰になりきれずに
焼け残る

自首か逃亡か
高速で脳波が
駆け巡り
目眩さえ覚える

詰メノ甘イ
確信犯ノクセニ

伸ばした手を
意外な程の強さで
振り払い
バネ仕掛けの様に
彼女は弾ける

汚イ手デ
触ワラナイデ!

時間が
自分の仕事を
忘れて
動くのを止めた

今度は
執行猶予は
付かない
そして夕暮れ
僕はうなだれ

公序良俗
不義密通
汝、姦淫スルナカレ!


03/08/31.

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