詩
□血染め
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荒れ果てた教会で少女は笑っていた
涙を流しながら
血を流しながら
とめどなく流れる涙を拭いもせず
その白い肌を
荒れた床を
紅い鮮血が染めていく
何故、少女は泣いているのか
悲しみか悔やみか痛み、はたまた悦びか
ソレは少女にしかわからない…
少女の後ろで残酷なまでに優しい微笑みを向ける聖母マリア…
まるでスポットライトの様に少女だけを照らす月光…
奇声の様に笑ったかと思えば息継ぎする度引きつり、むせかえる。
それでもまだ少女は笑い次第に眼を閉じていった…
少女は思った
「神様なんてマリア様なんていないなら…誰が私を愛してくれるのだろう…?」
少女は願った
「愛が…人が…温もりが欲しい…」
一人は…孤独は嫌だ
誰かと一緒に
誰かに愛されたい
そう願い彼女は死に逝くのであった……。