書庫 分室

□愛死
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君には分かる…?

好きな人を「上」から見る気持ち。


凄く不思議な気持ちなんだよ…?


だから、泣かなくていい…
悪いのは君じゃない…

君を守れたなら本望なんだから…


「………」


箱に納まった色とりどりの花と人。

その人はもう一言も言葉を発せ無い…
そればかりか身体の自由さえも無くなってしまった。

意識ならある。

ただし上からの視点で…


「何で…どうして…?」

君が泣いている。
もう泣かせないって約束したばかりなのに…


昨日、君と喧嘩をした。
些細な事で喧嘩をした。

嫌だった、君と離れるのが嫌で必死になって謝った。
涙を流す君にもう泣かせないと約束したのに…

その帰り道…君を道路で守った。一瞬だった…

体がひしゃげる音?
血が吹き出す感触?
そんな物は無い

ただ、遠のく意識に聞こえた君の発狂気味の叫びだけ…


「何で私を守って…死んじゃうのよ…」


何を言ってる?
君を助けたかったからだろ?

「…私が悪いのに…」


だから君は悪くないって…まぁ、伝わらないか…


「ばか…………」



なぁ、一つだけ心残りがあるんだ。
俺はまだ君に言えてない…本当はあの時言おうとしたんだ。



聞こえなくてもいい…
ただ、聞こえた時には笑ってくれ……



『愛してるよ……』




君が少し笑った気がした…




END

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