捧げモノ
□シンデレラ(ジェイ主演)
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「ちょっとそこの美少女!」
ぼんやりと噴水を見ていたジェイは、何となく顔を上げた。
『美少女』が自分をさしているとは夢にも思わずに。
「ノーマさん、そのカッコウは何ですか?」
溜め息混じりにそう言う。
ジェイの前に現れたのは、何とも不思議な変装(?)をしたノーマだった。
「私はノーマではありませーん。監督です」
「……」
どこをどう見てもノーマである。
「ノーマさ……」
「監督でーす。んで、美少女」
「ぼくは男です」
「美少女に演じてもらうのは――こちら!!」
「だから、ぼくは」
全く話を聞いていない様子。
「美少女には、責任を持って『シンデレラ』を演じてもらうよ」
「お断りします」
「んじゃ、物語のラストで会いましょーう。グッド・ラック」
シンデレラ