短編小説@
□セネルの愛
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「セネセネ〜v」
「“今度は”何だ?」
セネルの反応にノーマは口を尖らせた。
「冷た〜い」
「はぁ?」
「セネセネ、愛が足りないよ!!」
「……」
「よぉーっし、ココはあたしが一肌脱ぎますか!!」
「……」
勝手に盛り上がるノーマの隣で、セネルは溜め息をついた。
セネルの愛
*ウィルっちの場合*
「ウィルっち、ウィルっち〜」
「何だ。騒々しい」
と言いながらも、大して怒った様子を見せないウィル。
ノーマの後ろに不機嫌そうなセネルの姿を見つけ、ウィルは苦笑した。
「ウィルっちは、セネセネの愛感じる?」
「……。そうだな、最近は戦闘の仕方も良くなってきたし、仲間への思いやりも出てきた。なかなかの成長ぶりだと思う」
「……。つまんなーい。次行くよ、セネセネ。やっぱオヤジに聞いたのが間違いだった」
「(がーんっ!!)」
その様子を見ていたハリエットが笑っていたとかいなかったとか……。
*モーすけの場合*
「モーすけ〜」
チャバと話していた所へ突撃(?)するノーマ。
一度は驚いたものの、それがノーマだと分かると、モーゼスもチャバも笑った。
「ワレら、ワイに何か用事か?」
「うん☆あのさ、モーすけはセネセネの愛感じる?」
「セの字の愛……?」
暫く考えるモーゼス。
「ワイは、ギートやチャバ達の愛の方が感じるからのう」
「……。時間の無駄だったわ。次、行くわよ、セネセネ」
「な、何じゃと」
*グー姉さんの場合*
「グー姉さん」
歌いながら花に水をやっているグリューネに声をかけた。
「あら、セネルちゃんにノーマちゃん。二人そろってどうしたのぉ?」
「グー姉さんに聞きたい事があんの」
「お姉さんに?」
「グー姉さんは、セネセネの愛感じる?」
「もちろんよぉ」
いつものポーズで答える。
「セネルちゃんは、とぉっても優しいのよぉ。ジェイちゃんもそうよねぇ」
「……。グー姉さんは、みんなの愛を感じてるんだね……」
納得(?)したノーマは次のターゲットを探し始めた。
「(……いつになったら終わるんだ)」
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